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テーマ考察ブルーロック

【ブルーロック】なぜ「ヴィラン的主人公」を描くのか?少年漫画の常識を壊す構造

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「正しいヒーロー」が不在の漫画

少年漫画の主人公は「正しい」ものだ。仲間を守り、悪と戦い、自己犠牲を厭わない。ワンピースのルフィ、鬼滅の炭治郎、ヒロアカのデク。彼らは読者に「こうありたい」と思わせるヒーローだ。しかしブルーロックの主人公・潔世一は違う。彼が目指すのは「仲間との勝利」ではなく「自分だけの栄光」だ。

「世界一のエゴイストでなければ、世界一のストライカーにはなれない」(絵心甚八)

ブルーロックの世界には、従来の少年漫画における「悪役」に相当するキャラクターが存在しない。なぜなら全員が「エゴイスト」であり、全員がある意味で「ヴィラン」だからだ。潔も、凛も、凪も、馬狼も、自分が一番になるために他者を踏み台にすることをためらわない。

この構造が斬新なのは、「ヴィラン的な行動原理」を持つキャラクターに読者が感情移入しているという点だ。通常、他者を蹴落とすキャラクターは「敵」として描かれる。しかしブルーロックではそれが「正しい生き方」として提示される。絵心の哲学がこの世界のルールブックであり、そのルール下ではエゴを貫くことが善なのだ。

金城先生が達成したのは、道徳的な判断基準の転換だ。「利他的=善、利己的=悪」という従来のフレームワークを壊し、「自分の可能性を最大限に引き出すことこそが善」という新しい価値観を提示した。読者はブルーロックを読んでいる間、普段の道徳観を一時的に棚上げし、エゴイズムの世界にどっぷり浸かる。この没入体験が、ブルーロックの最大の魅力だ。

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潔世一——「善良な主人公」の仮面が剥がれる瞬間

第1話の潔は、一見すると典型的な「善良な少年漫画の主人公」だ。チームのためにプレーし、仲間を気遣い、エゴとは無縁の存在に見える。しかし高校の大会でラストパスを出す場面、潔は一瞬「自分で撃ちたい」と思った。その一瞬のエゴを押し殺してパスを出し、チームメイトがシュートを外す。

このシーンの残酷さは、ブルーロックに入った後に気づく。潔は「良い人」でいることで自分の可能性を殺していた。チームのために自分のエゴを抑えることが、本当に「正しい」のか。チームのためにラストパスを出す行為は美談に見えるが、別の見方をすれば「自分で決める勇気がなかった」とも言える。

ブルーロックに入ってからの潔の変化は、「善良さ」の殻を一枚ずつ剥いでいくプロセスだ。チームメイトの脱落を「悲しいけど仕方ない」と割り切り、ライバルの武器を「奪う」ことを覚え、ゴール前で「自分で撃つ」ことを選ぶ。これは「成長」なのか「堕落」なのか。ブルーロックはその問いを読者に投げかけ続ける。

U-20戦以降の潔は、もう第1話の潔ではない。ゴール前に立った時、パスという選択肢は最後に回される。まず「自分で撃てるか」を考える。エゴイストとしての本能が、善良な少年の判断を上書きしている。しかし矛盾するようだが、このエゴイスティックな潔のほうが「強い」のだ。強いだけでなく、自分の可能性に正直に生きている

読者が潔に惹かれるのは、彼のこの変化が「自分もこうありたい」という願望を刺激するからだ。社会では協調性が求められ、自分のエゴを出すことは嫌われる。しかし本当は誰もが「自分で決めたい」「自分が主役になりたい」という欲求を持っている。潔はその欲求を全力で解放している。その姿に共感し、憧れる。

ブルーロック

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「ヴィラン主人公」が機能する構造的理由

ブルーロックのヴィラン的主人公が読者に受け入れられるのは、作品世界の設計が緻密だからだ。単に「エゴイストな主人公」を描いただけでは、読者の反感を買う。金城先生はいくつかの仕掛けによって、エゴイズムを肯定する世界観を成立させている。

①全員が同じルール下にいる(平等な競争環境)。②エゴの結果が数値化される(ゴール数という明確な指標)。③敗者にも再起の物語がある(脱落者の描写が雑ではない)。

第一に、ブルーロックは「全員がエゴイスト」という前提条件を持つ。潔だけがエゴイスティックなのではなく、300人全員がエゴを発揮することを求められている。これにより「潔だけが嫌な奴」にならない。全員が同じルールで戦っているから、エゴは「ズル」ではなく「正当な武器」になる。

第二に、サッカーという競技のルールがエゴイズムを測定可能にしている。ゴールを決めた者が勝つ。この明確な基準があるから、「俺のほうが上だ」という主張に客観的な根拠が与えられる。これがもし抽象的な競争だったら、エゴの正当化は難しかっただろう。

「負けた奴は俺のサッカー人生の養分になれ」(潔世一)

第三に、金城先生は脱落者の物語を丁寧に描いている。國神が脱落した時、潔は心から悔しがった。しかし同時に「國神を踏み台にして先に進む」ことも受け入れた。この矛盾した感情の描写が、読者にエゴイズムの「痛み」を伝えている。エゴを貫くことは楽ではない。仲間を切り捨てる覚悟が必要だ。この苦さがあるから、ブルーロックのエゴイズムは薄っぺらくならない。

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他作品との比較——デスノート、進撃の巨人との共通点

ヴィラン的主人公の系譜を辿ると、デスノートの夜神月、進撃の巨人のエレン・イェーガーに行き着く。月は「理想の世界」のために殺人を犯し、エレンは「自由」のために世界を踏み潰した。潔は「世界一のストライカー」になるために仲間を蹴落とす。三者に共通するのは、目的の純粋さと手段の非道さの落差が物語のエンジンになっている点だ。

月と潔の最大の違いは「自覚」にある。月は自分が正義だと信じ切っている。潔は「自分がエゴイストであること」を自覚し、時に迷い、それでも選び直す。この自覚があるから、潔は月ほど「堕落」しない。エゴを追求しつつも人間性を失わない絶妙なバランスが保たれている。

エレンとの共通点はより深い。エレンは仲間を守るための力を求め、その力が最終的に仲間を傷つけるものになった。潔も同様に、ゴールを追求する中でかつてのチームメイトを脱落させていく。「力の追求が人間関係を壊す」という構造が共通している。

ただしブルーロックがデスノートや進撃の巨人と決定的に異なるのは、「ヴィラン性」が悲劇に帰結しない点だ。月は死に、エレンも死んだ。しかし潔のエゴイズムはまだ「上昇中」だ。エゴを貫いた先に待つのが破滅ではなく成功である可能性が示されている。これは少年漫画としての希望だ。

金城先生が示したのは、「ヴィラン的行動原理は悪ではなく、追求の形の一つだ」というメッセージだ。月は正義を歪め、エレンは自由を歪めた。しかし潔はサッカーを歪めていない。むしろエゴの追求がサッカーの純度を高めている。ここにブルーロックの独自性がある。スポーツという舞台が、ヴィラン性に健全な出口を与えている。

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令和の読者が「ヴィラン」に共感する時代背景

2020年代の若者が、なぜ「正しいヒーロー」より「エゴイストの主人公」に惹かれるのか。この問いにはいくつかの時代的な背景がある。

まず「正しさ」への疲労がある。SNS時代では常に「正しくあること」が求められる。ポリティカル・コレクトネス、同調圧力、空気を読む文化。日本の若者は特に「周囲に合わせること」を強いられている。ブルーロックのエゴイズムは、この窮屈さからの解放だ。フィクションの中で「自分の欲望に正直になっていい」と言ってもらえることの気持ちよさ。それがブルーロックの人気を支えている。

「協調性は敗北のもと」(絵心甚八)

次に、「自己実現」の時代だからだ。令和の若者にとって「会社のために働く」「組織に尽くす」という価値観は過去のものになりつつある。個人のスキル、個人のブランド、個人の市場価値。こうした「個」を重視する思考は、絵心の哲学とそのまま重なる。ブルーロックは「個の時代」のマニフェストとして機能している。

①「正しさ」への疲労——SNS時代の同調圧力からの解放。②「個」の時代——自己実現が最上位の価値になった社会。③競争の可視化——数値化された評価に慣れたZ世代の感性にフィットする。

しかし金城先生は、エゴイズムを無条件に肯定しているわけではない。ブルーロックの中でも「エゴを貫いた結果、脱落する者」「エゴを曲げて成長する者」が描かれる。エゴは万能薬ではない。だからこそリアルで、だからこそ読者は信頼する。第338話のU-20W杯フランス戦でも、潔は「自分のエゴ」と「チームとしての勝利」の間で葛藤している。この葛藤こそが、ブルーロックが「ヴィラン万歳」の浅い作品に堕ちない理由だ。

「ヴィラン的主人公」は、ブルーロックだけのものではない。これは令和のエンターテインメントが掴んだ時代の空気だ。しかしスポーツ漫画という王道のジャンルで、ここまで見事にヴィラン的主人公を成立させた作品は他にない。ブルーロックは、少年漫画の「主人公像」を更新した作品として記憶されるだろう。

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マンガ考察ラボ編集部

マンガ歴20年以上の考察チーム

週刊少年ジャンプ・マガジン・サンデーを中心に、20作品以上の漫画考察を毎日更新。作品の伏線・キャラクター分析・ストーリー予想を独自の視点で解説しています。

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